パン=幸せの図式
なんだろう、パン屋さんに入ったときの何ともいえないあの幸福感。
いや、パンと聞いただけで幸せな気持ちになる。
パン屋さんになりたい、なんて子どもを見ると、ああ、将来この子は幸せになるな、と無条件に思ってしまう。花屋さんでもCAでもいいけど、パン屋さんの幸せレベルは頭一つ抜けている。魔女の宅急便のキキちゃんも、ぐーちょきぱん店から幸せになったでしょ。
思うに、ふんわり膨らむイメージが、大きく膨らむ夢や希望とリンクするからではないだろうか。また、店内にあふれるライトブランがホッとするような温もりをもたらしている点も見逃せない。家路に浮かぶ灯りが蛍光灯よりも白熱灯の方がアットホームな感じがするのと同じだ。
本場ではそんな名前で呼ばれないフランスパンも、幸せを象徴している。そもそもフランスと付くだけでなんともブルジョアでエスポワールな香りがするじゃないの。紙袋から飛び出た2、3本のフランスパン。それを自転車の前カゴに入れて石畳の坂道なんぞを下ったら、絵に書いたような幸せのできあがり。
パリっとしたバゲットの割れた皮が歯茎に刺さったときは、小さな不幸を感じるけど。
中にあまりに大きな気泡があると、損した気分になっちゃうけど。←人間ちぃせぇー