ぶら六本木(その2)OM-D EM-5をオールドレンズ「Leitz ELMAR 35mm F3.5」で遊ぶ〜後編
APS-Cからマイクロフォーザーズに換えた大きな目的はシステムのスリム化だったんだけど、心のどこかで、黒い悪魔が「アダプタ使えばほとんどのオールドレンズが楽しめちゃうんだぞぉぉぉぉ」とささやいたことも後押しになった。もちろん、白い天使が「そんな泥沼にハマっちゃダメダメ」ともいっていた(今もいっている)けど。
35mmをマイクロフォーサーズに付けると、34mm換算で70mmの中望遠になる。ポートレートにはちょうどいいが、街中スナップにはなかなか縛りがキツい。でもそれはそれで考えながら撮るのも楽しい。
さて、OM-Dにエルマー35mmをつけたまま、男3人のぶらぶら(なんかいやらしいな)は続く。ハードロックカフェから飯倉方面へ。
ジャック&ベティがあったところかな、いや違うかな…やっぱり忘れた。まあそんな辺りで2台の超かっこいいレーサーを発見。左はホンダのCBR1000RR、右はBMWの1000RR、日独を代表するスーパーバイクだ。
飯倉片町に近いこのあたりの左側には、日比野克彦氏のアートにあふれたディスコ(というかクラブって感じ)J-Trip Barと伝説的ライブハウスのPIT INNがあった。今や立派なタワーマンションになって、PIT INNがあった一角はローソンになっていた。無限遠で撮ったつもりだったけど、なんだか甘々…間違えたかな。
その向かい側は、昔からあるAXIS……んん? 1階の店って違ったよな。あー、ここも思い出せない。まぁイイや。お洒落なヨーロッパのオープンカフェの趣は、シトロエンの2CVや昔のFIAT500あたりが前に停まっていてくれれば最高だったのに。
そして飯倉片町の交差点。看板を見ると「IIGURA」になっっている。えええええ、30年以上「イイクラ」だと思っていたのにまさかの「イイグラ」。濁るのなんかイヤだな。たぶんこの向こう側にokkoさんが通っていたダンススタジオがあったんだよね。
地下道で交差点の先へ。左右の壁がギャラリーのようになっている。
路面のカフェテラス。金属の質感がしっとり艶やかに見えるのもエルマーならでは…な気がするけど思い込みかな。
そしてたどり着いたのが、六本木の歴史を語る上で欠かすことのできないイタリアンレストラン「Chianti」。なんと1960年創業。ザ・タイガースや松任谷由実などのミュージシャンから作家、映画監督までその顧客リストには超が付く有名人がずらりと並ぶ。カジュアルではあるんだけど、少々お高いので自分の財布で入ったことはなかったな。
そんな六本木だけど、ちょっと入れば住宅街が広がっていて、袋小路も多い。建物の隙間から高層ビルが覗くシーンによく出くわす。あれに見えるは泉ガーデンタワー。
ここでモトシさんが「オートフォーカスつまんなぁ〜い! エルマー返して〜」とダダをこねだしたので、LEICA DG SUMMILUX 25mm F1.4と再び交換。うはっ、重い、デカい。エルマーがとてもコンパクトで軽かった分、そのマイナス点が際立ってしまう。スリム化が第1目標だったマイクロフォーサーズに、望遠ならまだしも標準単焦点でこの重さと大きさはやっぱりないかなぁ、と思った。
ということでしばしのオールドレンズ試し撮りはここで終了。
もちろんライカでフィルム撮影するのがベストなんだろうけど、最新デジカメでもその「味」はけっこう出てると思う。表現が難しいけど、しっとりしていて柔らかく滑らかな描写は(なんだか安っぽいグルメ番組みたい)デジタルでも十分に発揮されているんじゃないかな。たった何十枚か撮っただけでも、ライカにハマる人の気持ちがちょっとだけ分かった。まぁ何本もいらないけど、1本はこういうレンズがあったら楽しいかも。だからモトシさんちょーだい。
[OLYMPUS OM-D E-M5+Leitz ELMAR 35mm F3.5]