Surf & Snow
トンネルを抜けると南国だった そう、ここは絵に描いたようなリゾート、逗子マリーナ。
ルートは、材木座方面からと小坪方面からの2通りあるけど、おすすめは絶対に前者。なんにおすすめかって、聞くまでもないでしょ。デートですよ、デート。トンネルを抜けると目の前に現れる、背の高いパームツリーの街路樹と白亜のリゾートマンション、開放的なシーサイドプール、豪華なクルーザーやヨットが停泊する桟橋…。
昼間でも薄暗いトンネルの中で「この上には火葬場とお墓があって…」なんて話で盛り下げておいて、パッと視界が開けた途端にここはモナコかニースかと見紛うばかりの景色で盛り上がる。いわゆるギャップですな。これで乙女たちはもれなくウットリ、目はハート。
間違っても、一人でバイクで来てはいけません。(T_T)
逗子マリーナ→ユーミン→サーフ&スノー→苗場プリンス→ユーミン・・・
これはアラフィフ(関東圏限定)にとって鉄壁の無限ループで、広瀬香美がさらに2オクターブ以上の高音で歌ったとしても絶対にくずせない。プールサイドやゲレンデで繰り広げられるファンタジックなコンサートに誘って断る女子はいなかった(らしい)し、その後のムフフな時間も約束されたようなものだった(らしい)。もちろん、この桟橋から豪華クルーザーで湘南の海へと舵を切れるような男なら、そんなコンサートチケットもいらない。しかし、ウィンドサーフィンの艇庫代15,000円をケチるような男にチャンスはあるのか?
そこで、マリーナの海沿いに建つイタリアンレストラン「グラン・ブルー」。当時はたしか、セゾンっていう西武グループ丸出しネーミングのシーフードレストランだった。ギリシャ建築を思わせる瀟洒な佇まいに、豪華客船のアプローチをイメージしたというエントランスにRomanticが止まらない。ここは今も昔も、海側が一面ガラス張りになっていて、相模湾から遠くは富士山まで一望できる。ランチもいいけどモテ男くんを気取るならディナーを狙い撃ち。日没の時間を計算して予約しておけば、湘南の海を真っ赤に染めながら沈む夕日に、乙女たちはもれなくウットリ(またかい)、2人の心も真っ赤に燃え上がる……
※この物語は昭和の実話に基づき妄想を加えたフィクションです。
※デートの成功を約束するものではありません。
[OLYMPUS OM-D E-M5+M.ZUIKO DIGITAL ED 12-50mm F3.5-6.3]